日本のデフレを検証する-CPIをグラフ化してみる-

日本はデフレ?

日本はデフレだとよく言われます。私も普段生活していて確かにデフレだと感じることがあります。外食産業などでも随分と低価格競争が進んでいるようです。このように物価が下がることはある意味で生活者として助かることですが、反面、給料も額面がそんなに変わらないので、本当にお得なのかなと感じることもあります。

とはいえ、このような個人の肌感覚でデフレを論じるのは少々危険です。他の人はデフレを感じていないかもしれませんから。そこで、この記事では日本の CPI の推移を見てみることで、本当に日本がデフレなのかどうかを検証してみたいと思います。

CPIとは

CPI とは Consumer Price Index のことで日本語では消費者物価指数と呼ばれています。ある時点の物価を 100 として、任意の時点の物価をその値との相対値として指数化したものです。

CPI には複数の種類があります。まず、すべての物価について物価を指数化したものがあります(総合指数)。それ以外に コア CPI および コアコア CPI というものがあります。コア CPI とは総合指数のうちから生鮮食品を除いたものです。コアコア CPI とは食料品(酒類を除く)とエネルギーの物価変動分を差し引いたものになります。

CPI のより詳しい説明が必要な方は Wikipedia を参照してください。

CPIで検証する日本のデフレ

CPI の統計データ自体は総務省のHPから簡単に入手できます。2000年代に入ってからの CPI の推移をグラフにしてみると次のようになります。

BL1204-04-01.png

CPI が全体的に右肩下がりになっていることが分かると思います。なんだかあっさりと答えが出てしまったようですが、日本はデフレということができると思います。

少々興味深いのは CPI(総合) と コア CPI は 2007 年頃から 2008 年にかけて盛り上がっていることです。これは、原油価格高騰によるものでしょう。それが証拠に、エネルギーの騰貴分を差し引いたコアコア CPI は原油価格高騰の時期にも下がり続けています。

さらに、グラフでは少々見づらいかもしれませんが、2008 年のリーマンショック以降、コアコアCPI の下がり方が酷くなっているように見える点も気になります。そこで、コアコア CPI の前年同月対比をグラフ化してみました。ちょっと手抜きですが、2001年からのグラフになっています。

BL1204-04-02.png

やっぱり、リーマンショック以降、一気に物価が下落しています。その後物価下落率は収まってきていますが、まだまだ回復したとは言えないでしょう。

ちょっと統計的に検証してみましょう。2008 年 8 月までのデータと 2008 年 9 月以降のデータをグループにして検証してみます。具体的には t 検定をしてみます。簡単に統計量のプロファイルを見てみるとこんな感じです。

BL1204-04-03.png

t 検定の p 値を見る限りは CPI の変化率に有意差があると見なせそうです。簡単に言うと、リーマンショック以降、物価の下落率が大きくなっているということです。

まとめ

以上をまとめるとこんな感じになります。

  • (1)日本は 2000 年以降で見た場合にデフレになっている
  • (2)リーマンショック以降デフレが酷くなっている