日本とアメリカの経済蜜月関係

アメリカ経済の寄生虫=日本??

以前、日本は外需依存だという記事を書きました。実はこの記事を書いている前後に私はこんなことを夢想していました。

「実は日本こそがアメリカの経済的な寄生虫なのでは??」

つまり、こういうことです。日本はアメリカの国債を買い続けています。この国債購入分に相当するドルは巡りめぐってアメリカの人たちのお財布に入るでしょう。そのお財布を狙って日本の企業は輸出をしていたわけです。これは左手でアメリカにお金を渡して右手でそのお金を回収するモデルです。そういうことを通じて実は日本の企業こそがアメリカから搾取しているのではないか。アメリカの人たちから職を奪い、彼らを借金漬けにして、その裏側でほくそ笑む日本の輸出企業という名の越後屋… 実は日本こそがリーマンショックの黒幕なのでは??そんな馬鹿な!

調べてみて分かりましたが、これは実にアホな妄想でしたね。

事実は逆です。2000 年以降、日本とアメリカはお互いの足りないところを補う蜜月関係にあったのです。

うまく棲み分けができていた日本とアメリカ

下のグラフは日本からの対米輸出額の推移とアメリカの失業率の推移をグラフにしてみたものです。

BL201204-07-01.png

グラフを見れば一目瞭然だと思いますが、日本からの対米輸出額とアメリカの失業率は綺麗な逆相関の関係にあります。言いかえれば、日本の対米輸出が好調に推移している間はアメリカの失業率も下がっていたということです。逆に日本からの対米輸出が不調な時はアメリカの失業率も悪化しています。

これはどういうことかというと、恐らくアメリカの景気が重要な役割を握っているということだと思います。つまり、アメリカの景気が原因となって日本の対米輸出額という結果を生み、同様にアメリカの景気が原因となってアメリカの失業率に影響を与える。ここには、日本の対米輸出額とアメリカの失業率の間に何の因果関係もありません。もっと簡単に言えば、日本の輸出がアメリカの人たちの雇用を奪っているわけではない、ということです。

何故こういうことが可能なのかを考えてみると興味深い仮説が浮かび上がります。すなわち、日本とアメリカはうまく棲み分けができていたという仮説です。簡単に言えば、金融立国のアメリカと製造業立国の日本は、お互いの領分を侵害せずにお付き合いができていたということです。アメリカは製造業を主たる戦場と見なしていませんでした。ならば、日本を含めて海外の企業が競争し合ってお得な買い物ができた方が良いわけです。日本の製造業さん頑張ってください、そのかわりアメリカは金融で儲けていきます、と。

蜜月関係はどこまで続くか

このお話の教訓はどんなものでしょうか。結局、「お互いの縄張りを侵さない限り、二人は仲良くしていられる」ということです。

今まではお互いに棲み分けができていたかもしれません。ですが、今後はどうでしょうか。一方ではアメリカの製造業回帰という流れがあります。おまけにアメリカは今後輸出を倍増させていくと言っています。これはお互いの縄張りを荒しあうことにつながりかねず、将来の火種になりかねません。

また、こともあろうに「アジアの成長を取り込む!」と言っている人たちがいます。これって「アジアの縄張りを侵しに行く」ってことですよね。この人たちはアジア市場でガチンコ勝負をするつもりのようです。こんなのうまくいくのかな、私はそう思います。

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