日本のアジア輸出先国の素顔-人口動態編-

アジアの中の日本

日本はアジアの一員です。これはデータを調べれば調べるほど痛感せざるを得ない事実です。特に韓国、中国との結びつきは非常に大きい。

その一方で、太平洋を中心とした経済的な結びつきのおかげで、日本がここまでの経済成長を果たすことができたことも事実でしょう。端的に言うと、なんだかんだ言って日本の経済発展はアメリカさんのお陰だったということです。

TPP というフレームがここまで論議を醸すのは「アジアの中の日本」という構図と「太平洋の中の日本」という構図の二つの世界観が真っ向から激突しているからではないか?そんなことを思いながらこの記事を書いています。

日本は西を向くか東を向くかのどちらかしかないのでしょう。北を向いてみるというのも一つの手ですが大多数の日本人には拒否反応が大きいでしょうね。この西か東かという対立構図は、日本が明治維新で近代国家の道を歩み始めた時から、常に手を変え品を変え出てくる問題だったのではないかと思います。

少し前置きが長くなってしまいました。

この記事では「アジアの中の日本」というフレームでモノを見てみるという意味で、アジアについての日本の主要輸出国の素顔を見ていきたいと思います。記事は 2 回に分ける予定です。今回は日本を含めたアジア諸国の人口動態について見ていきたいと思います。次回は日本からアジア諸国に何を輸出しているのかを見ていくことにします。

日本のアジア主要輸出先の人口動態

まず初めに、以前も書いたことですが、日本の主要なアジア輸出先は、中国、韓国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、この程度を押さえておけば十分です。ですから、この記事でもアジア向け輸出先国としてこれらの国々を考えていきます。

また、今回の記事では人口に日本そのものを加えて検討していきます。ここには、この記事を書いているもう一つの意図が隠されています。私としては日本を取り巻く国々の人口が増えることで、これらの国々に相互に影響を及ぼし、アジア全体として経済成長を果たしたのではないかという仮説を持っています。この点を確認したいのです。ですから人口を見るときに日本を含めています。さらに経済成長に大きな影響を与えるという生産年齢人口の動態を追いかけています。

あと、生産年齢人口は 15 歳から 64 歳で見る方が正解のようなので、そうしてあります。

本当に前置きが長いですね… ではグラフを見ていきましょう。まずはクロスセクションで見ていきましょうか。

BL201204-12-01.png

やっぱり、中国の生産年齢人口が他を圧倒しています。それと日本って意外と人口が多いんですよ。これらの国々の中で2番目の人口があります。そして、韓国、タイと続いていきます。

次は時系列で見ていきます。

BL201204-12-02.png

着実に生産年齢人口が増えていることが分かると思います。まぁ、そのほとんどを中国が占めているのですけどもね。

さらに、このグラフでは、これらの国々の実質 GDP を合計(単純な合計です)したものをオーバーラップさせてみました。こうやってグラフで重ねてみるとアジアの国々の生産年齢人口の増加と実質 GDP の合計が連動してるように見えます。私としても「YES!」と断言したいところなのですが、グラフには罠がありますから気を付けてください。それに、データの数が少ないので相関係数を調べてもあまりあてになりません。なので、断言するのは無理があるかなと思います。もう少し年度ごとの細かいデータが手に入ればいいのですが… 無い物ねだりをしても仕方ないですね。ただ、私は生産年齢人口の増加が GDP の成長をもたらしたと確信しています。

次は絶対数ではなくて増加率で見てみます。

BL201204-12-03.png

日本の主要輸出先アジア諸国は年 5% 強の率で人口が増えていますね。おわかりだと思いますが、この数字は中国における生産年齢人口の増加率とほぼ同じです。なので、グラフ上では中国だけの推移が見えにくくなっていますが、全体の動きと同じと考えていただければ結構だと思います。

興味深いのはシンガポールですかね。急激に生産年齢人口を増やしている。これは何なのでしょう、移民政策の結果なのでしょうか? シンガポールの人口についてはもう少し調べてみる価値がありそうです。

日本はトップを独走していますね。日本は生産年齢人口減少のトップランナーです。全く褒められたことではありませんが… 他のアジア諸国が生産年齢を増やしていく中(グラフ中 0 %以上で推移している限り人口が増えているということです)、日本だけが人口減少街道を驀進中だということです。

まとめ

今までのスタディをまとめてみると、次のようになります。

(1)日本のアジア主要輸出国の生産年齢人口のほとんどは中国が占めている
(2)日本のアジア主要輸出国の生産年齢人口は全体で着実に増加している
(3)日本のアジア主要輸出国の中で生産年齢人口が減少しているのは日本だけ

私としては以下のように言いたいのですが、ストイックに別枠にしておくことにします。

(?)アジアの生産年齢人口の増加がアジアの GDP 拡大をもたらした

あと、シンガポールの件は気になりますね。追加調査してみたいと思います。

さて、次回は輸出品目について見ていきたいと思います。

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