シンガポールの人口動態-流入する外国人-

シンガポールの人口動態はどうなっているか?

シンガポールは日本からの輸出が盛んな国です。特に生産設備や最終製品を製造するための部品に関する輸出が活発に行われています。その辺りの事情は以前の記事に書いてみました。

さて、以前はシンガポールの人口が急激に増えていることを確認したのですが、この増加具合についてもう少し調べてみることが課題として残されました。今回、シンガポールの人口にフォーカスを当てて調査をしてみました。この記事ではその調査結果について書いてみたいと思います。

シンガポールの人口を見る

シンガポール政府では各種の統計情報を公表しています。Department of Statistics Singapore というウェブサイトに行けば簡単に統計情報が手に入ります。今回、この統計情報を基にして資料を作成していきました。

では早速見ていきましょう。まずは人口ピラミッドから見ていきたいと思います。比較のために、2005 年度および 2010 年度の人口ピラミッドを記載してみます。

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このグラフから理解できることは、2005 年度あたりでは、シンガポールも少子高齢化が危惧されていたことが分かります。特に 20 代の若い世代の人口の落ち込みが激しかったようです。その一方で、 2010 年になると、かなり人口ピラミッドの凹みの部分が改善されていることが分かると思います。

より分かりやすくするために、年齢階級ごとの人口増減グラフを作成してみました。ちょうど 5 年間のタイムラグがあるため、そのラグ分だけ年齢階級をずらして 2005 年と 2010 年の比較をしてみました。

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いかがでしょうか。やはり、2010 年時点で 30 歳前後の人たちの人口が大幅に増えていることが理解できると思います。

何故 30 代の人口が増えたのか?

さて、何故シンガポールでは 2005 年から 2010 年の間に 30 代の人口が増加したのでしょうか?その秘密は外国人の流入にあります。その点を見ていきたいと思います。

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上図はシンガポールの人口動態を市民権有無の観点で分類したものです。なお、PR とは Permanent Residents = 永住権保持者を意味しています。

この図を見ると、シンガポール市民の数はそれほど増えていないことが分かります。そうではなく、永住権保持者と永住権を持たない単なる外国人の数が増えていることが分かります。特に永住権を持たない外国人の流入数が多いことが分かります。

さらに前年対比のグラフを描いてみると次のようになります。

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特に 2008 年までに関して永住権を持たない外国人の数が増加していることが分かります。また、永住権保持者もかなり高い水準にありますが、やや減少傾向にあるようです。

シンガポールの生産年齢人口と GDP

最後に、シンガポールの生産年齢人口と実質 GDP の関係を見てみたいと思います。シンガポールにおいて、生産年齢人口と経済成長との間にどのような関係があったかを確認してみたいからです。

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このグラフからは、シンガポールの生産年齢人口と実質 GDP の間に正の相関があることが分かると思います。

シンガポールと言えば、リー・クアンユー元首相が「シンガポールは(少子高齢化の問題を放置する)日本のようにはならない」と発言しています。さすがに、そのように啖呵を切るだけあって、地道に少子高齢化対策を進めていたのでしょう。そして、この図を見る限り、その結果はキチンと出せているのではないでしょうか。

参考:「日本のようにはならない」 少子化対処で移民受け入れ継続 シンガポール / 2012.02.09 MSN 産経ニュース