ソーシャルゲーム企業の財務諸表から創業当時の「志」は読み取れるか?

槍玉に挙げられたソーシャルゲーム

最近のニュースを見ていると、ソーシャルゲーム各社が槍玉に挙げられているようです。所謂「コンプリートガチャ」の件です。

先日、名指しこそ避けたものの、ソーシャルゲームの「コンプリートガチャ」について、消費者庁は景品表示法違反の可能性があることを示唆しました。高額請求についての苦情があまりにも多かったために、とうとう行政が規制の方向で動いたわけです。

この件に関しては、提供者側も少々度が過ぎていると思う半分、ユーザ側の自己責任だから仕方ないという風にも半分は思います。人間の性と言うやつは本当にどうしようもありません。お互いさまだと私は思います。

さて、この事件を機に私としてはこれらの企業がどの程度まで利益を叩きだしているのかが知りたくなりました。もちろん、この手のビジネスが利益率が高いことは分かっているのですが、実際、どの程度まで利益が出ているのでしょうか。ソーシャルゲームの企業と言えば、GREE と DeNA が有名です。今回は GREE について調べてみましたのでお伝えしたいと思います。

GREE の財務諸表を読む

まずは GREE の収益性から見ていきます。(ちなみにこれらの数字は GREE の IR 情報から拾うことができます)

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やはりネット企業は当たるとデカいですね。ぶっちぎりの利益率です。売上高営業利益率が 50 % を超える。すさまじいと思います。また、売上高の成長度合いも半端ではないです。ネット企業というのは一度ブレイクしてしまうと、あっという間に時代の寵児になってしまいます。

GREE は異常に高い成長率と利益率を出しています。ですが、これらの企業は本当は苦しいのだろうなと私は思います。ネット企業を見ていて私は常にそう思う。なぜかと言えば、常に成長するように周囲からプレッシャーをかけられるからです。

そのプレッシャーのかかり具合を見るために、GREE の資産構成を見てみましょう。

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GREE の資産のほとんどは流動資産です。端的に言えばキャッシュ。特に 2010/06 までは、所謂、キャッシュじゃぶじゃぶ状態だったわけです。2011 年頃から、投資に回し始めているようですね。今はもう少し投資に回す割合が増えていると思います。

創業時の志はどこにある?

こういう資料を見ていてつくづく思うことですが、本当はネット企業って一定の規模に達してしまうとお金なんていらないのだと思います。最初は利益を出したくて一生懸命頑張るのですが、ひとたび利益が積み上がってくると使い道が無くなってくる。

しかし、株主はそんなことを許さないでしょう。キャッシュ自体はキャッシュを生みません。キャッシュは投資に回してこそキャッシュを生みます。つまり、お金貯めずにちゃんと使いなさい、と周囲から要求されるわけです。

これって当事者からすれば辛いことではないかなと私は想像します。使っても使ってもお金が無くならない。だけど、周囲からは「もっと投資しろ」とプレッシャーをかけられる。

この「もっと投資しろ」と言うのは結局「もっと成長しろ」ということです。成長するにしても、国内の市場をほぼ刈り取ってしまったら、後は海外に出ていくしかない。だから、猛烈な勢いで海外に進出していく。

常に何かに追いかけられる。

ひとたびこのような状況になると、もはや創業者の意志だけで組織が回らなくなります。下手をすると周囲に振り回されるだけになってしまう。暴走機関車状態になってしまう。

でも、だから、だからこそ創業当時のピュアな「志」が大切になってくるのだと思います。

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