山椒は小粒でピリリと辛い-オランダ経済を概観する-

オランダってどんな国?

オランダという国はとても面白い国だと思います。

オランダの経済規模は世界で 16 位です。これは韓国と同じぐらいの経済規模ですね。欧州域内で言えば 6 位の経済規模です。国土面積は 41,526km2、日本で言えば九州と同じぐらいの面積です。そんなに国土の広い国ではありません。

日本ではオランダの経済事情が取り上げられる機会は多くありません。その理由は単純に目立たないからだと思います。ですが、オランダという国は欧州危機の最中にあって活発に域内貿易を進めることで着実な経済成長を果たしています。また、日本からの輸出額で言えば、10 位ぐらいに位置する国です。思った以上に日本と貿易をしていると思いませんか?

他にも、アムステルダムは欧州の不良の溜まり場だとか、アムステルダムのコーヒーショップだとか、何とも妖しい雰囲気の話も良く聞きます。おまけに売春合法だそうで、そのぶっ飛び方は日本人から見て半端ではないです。裏を返せば、オランダはものすごく自由・寛容の国だということなのでしょうけどね。

それから、オランダって新車の販売がリーマンショック前後で増えもしないし減りもしていない。他の国が車が売れたり売れなかったりで一喜一憂するのと好対照です。オランダは自転車大国だそうで、50 年ぐらい時代の先を爆走してるんじゃないかとすら思えてきます。

色々とオランダについて調べていると、私はもっとオランダのことが知りたくなりました。いかがですか?オランダの経済概況について見てみませんか?

オランダ経済のプロファイル

まずはオランダの GDP です。CPI を被せてみました。

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リーマンショック後もしぶとく経済成長していますね。 2000 年から 2011 年までの実質 GDP の平均成長率は 1.35 % です。目覚ましい経済成長というわけではないですね。ぼちぼち成長しているという感じでしょう。また、CPI の推移から見て、オランダ経済はデフレに陥っているわけではないことが分かります。基本的にインフレ傾向の国ですね。

次は人口推移です。基本的に人口は増加、生産年齢人口はほぼ横ばいで推移するみたいです。適度な人口政策を取っているということでしょうか。少子高齢化に苦しむ日本から見れば実に羨ましい話ですね。

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個人的には、ここに興味があったのですが、オランダの輸出状況のグラフです。

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Wikipedia とかで調べると、オランダは金融・サービスが盛んな国なのだそうです。だから、あまり輸出に数字が表れてこないのかなとも思いますが、いざ調べてみると結構面白い結果になります。

まず、輸出額は増加傾向にあります。以前もお話したことですが、オランダは EU 域内で輸出を伸ばしています。ここで示した数字は世界全体に対する輸出額の推移です。基本的にオランダは輸出で稼いでいるのですね。それは EU 域内貿易だけに限りません。世界全体に対しても同じ傾向があります。

面白いのはオランダは生産財を輸出していることです。輸出額のウェイトで言えば、機械・運搬具(Machinery and transport equipment)が最大になっている。工業製品(Manufactured goods classified chiefly by)よりも輸出の比率は大きい。日本と同じようなことをしているのですね。

また、オランダは地味ですが資源国です。オランダは世界第9位の天然ガス産出国だそうです(Wikipediaによる)。その事情を反映しているのでしょうが、燃料・潤滑油等(Mineral fuels, lubricants relat. mat.)、化学製品(Chemicals and related product, n.e.s.) の輸出ウェイトも比較的大きくなっています。

それから、食料品(Food and live animals)の輸出も小さくはないです。私としては結構興味深いと思います。

このように見ていくと、オランダと言うのは 食糧、資源、工業製品をバランスよく輸出しているのではないかと考えられます。他の国と比較したわけではないので断言するのは憚られますが、日本なんかと比べても安定した輸出構造になっていると思います。本当に羨ましいですね。

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最後にオランダの失業率の推移を見てみましょう(上図)。直近で言えば、6% 程度の失業率となっている。もちろん、リーマンショック前の 4% という水準に比べれば失業率は悪化しているのですが、スペイン(失業率 24% ですよ!)なんかに比べると全く問題が無いレベルです。

死角がない…

このように見ていくと、オランダ経済は死角が殆ど無いように見えます。

安定した人口と安定した経済成長を実現するオランダという図式。さらにバランスのとれた輸出構造があります。確かにインフレではありますが、デフレで塗炭の苦しみを味わっている日本などからすれば、インフレの方がまだマシに思えますね。ましてや経済成長下のインフレなので大きな問題はないような気がします。失業率もまだまだマシな部類。

何だか数字だけを見る限り、オランダはものすごくハッピーな国に見えます。日本はオランダに学ぶべき点がいっぱいありそうですね。日本ではあまり注目されないですが、もっとオランダの事を調べてみる価値があるのではないでしょうか。

参考URL:

オランダ統計局 Statistics Netherlands(CBS)

(*) ちなみに、オランダ統計局のウェブサイトは実に秀逸です。Flash でグラフがぐりぐり動いたりするし、blog などに貼りつけるためのコード片も提供してくれている。もちろん DB で検索しまくり OK。オランダに興味がある方は直接覗いてみることをお勧めします。日本の政府もこのレベルのモノを提供するべきだと思う。