中国バブル崩壊のシグナルとしての楽天・ヤフー撤退

楽天とヤフーは中国 EC ビジネスの負け組か?

最近、楽天が中国 EC 事業から撤退するというニュースが流れました。楽天は平成 22 年 10 月に中国の検索サイト大手 百度(Baidu) と合弁で EC ビジネスを開始しました。事業開始からわずか 2 年ほどでの撤退ということになります。また、ヤフーも中国のネット通販大手「淘宝網(タオバオ)」と提携して中国での事業を進めていました。こちらの方も 5 月中に撤退するとのことです。

撤退の理由については、日本と中国の商習慣の違い云々という説明がなされています。撤退と言うことなので、何を言っても言い訳という色合いは払拭できないでしょう。ですから、これ以上理由の詮索はしません。

ネットで情報を調査してみると、この楽天とヤフーの中国からの撤退については冷ややかな意見が多いようです。普通に考えれば、中国市場で勝てないから逃げ帰ってきたんだな、という見方になると思います。

しかし、このニュースは別の視点から見た方が良いのではないかと思います。楽天とヤフーは決して中国 EC ビジネスに挫折したわけではない。それは合理的な行動だったのだと私は考えます。

中国からの外資撤退という図式

楽天とヤフーの中国撤退が報じられてから少し間をおいて、米ヤフーが中国 EC ビジネス大手のアリババグループ株式を売却することを決定しました(ちなみに「淘宝網(タオバオ)」はアリババグループ傘下の企業です)。正確には米ヤフーの所有するアリババ株を買い取らせることで両者は合意しました。売却額は 70 億ドルに上ります。

この流れは中国の EC ビジネスから外資撤退が実に速いテンポで行われていると見るのが正解だと思います。この動きは楽天単独だけで見ていてはおかしくなる。また、日本のヤフー撤退というピンポイントの見方でも物事を見誤ってしまう。むしろ、中国からの外資撤退という大きな物語を軸にして見ていかなければならない現象だと思います。

外資撤退は中国バブル崩壊の序曲

今、中国からは猛烈な勢いで外資系企業が撤退しています。

何故、中国から撤退するのでしょうか?一説には人件費の高騰が原因だとされています。ですが、話はもっと単純なのではないかと思います。単に中国バブルが崩壊することが明々白々になってきたから撤退するのではないでしょうか。

中国のバブル崩壊に関する根拠として、住宅関連の指標が示されることがあります。何やら住宅の在庫水準が高まっているとか、そう言った類の数字です。ですが、このあたりの数字はどこまで信用して良いものやら分かりません。中国という国は、その体制からして聞こえの良い情報しか出てこないはずです。都合の悪い数字なんて出てくると期待する方が間違っていると思います。

そんな数字を見るよりも、中国から撤退する企業の数に着目した方が良いのではないでしょうか。ヤバいと思うから逃げるのです。中国から撤退する企業の数が増えることは、まさに中国バブル崩壊のシグナルとなっていると考える方が妥当ではないでしょうか。

結局、言いたいことはこういうことです。楽天やヤフーの中国 EC ビジネスからの撤退は、中国バブルの崩壊が本当に迫っていることを示す兆候であるということです。

沈没する船から逃げるのは恥ではない

これらの企業が具体的に現地でどんな目に遭ったかは分かりません。ですが、本当にヤバいと感じたからこそ撤退してきたのでしょう。

楽天の三木谷さんは今回の件で、相当悔しさをにじませたそうです。ですが、そんなこと気にしなくても良いと私は思います。船腹に大きな穴が開いて浸水を止められずに沈没することが分かっている船に乗っていて、逃げ出さないのは単なる阿呆です。そんな船から脱出するのは当たり前の話です。それは恥ではありません。

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