日本は人口オーナス時代の覇者になれ

反撃開始の狼煙を上げろ

デフレ、円高、不景気、少子高齢化、自然災害、今の日本は実に受難の時代を迎えています。毎日のニュースを眺めていても余りいいニュースに出会いません。私は経済中心にニュースを追いかけていますが暗澹たる気持ちになることがしばしばあります。

対照的にお隣の韓国は経済的にうまく行っているように見えます。SAMSUNG いいですね。LG いいですね。高い収益性を達成していて実に羨ましい。また、中国も大きく経済成長を果たしました。足下を見ればバブル崩壊の足音が気になりますが、それでも今や世界第 2 位の GDP を持つ経済大国です。経済縮小に悩む日本とは対照的です。

隣の芝生は実に青々と茂っているように見えます。一方、こちらの芝生は枯れてきているように見える…。日本の先が見えない、日本には明るい将来展望がない。

でも、本当でしょうか?

とんでもない!今の日本は反転攻勢をかける絶好のチャンスが巡ってきているのです。

東アジアの風景が変わる

何故、こんなことが言えるかというと、2015 年頃を境にして東アジアの風景が変わってくるからです。

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上図は、東アジアの国、つまり、日本、中国、韓国の生産年齢人口を積み上げたグラフです。如何でしょうか。2015 年あたりを境にして生産年齢人口が減少期に入ってくることが明瞭に見て取れると思います。

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棒グラフだと変化の程度が分かりにくいと思いますので、変化率を折れ線グラフにして見てみましょう。上図のグラフは 1990 年を 1.00 として、その後の生産年齢人口がどの程度変化していたのかを表したグラフです。日本は、1995 年を境に生産年齢人口の減少が始まっています。その流れは止まることなく現在も進行中です。一方、中国や韓国は 1990 年頃から 2015 年頃まで生産年齢人口が増加しています。しかし、2015 年頃を境にして生産年齢人口の減少が始まります。これらの国も少子高齢化の問題が顕在化してくるのです。

東アジア ハンデ戦の終焉

一般に生産年齢人口の増加は経済成長をもたらします。この現象は「人口ボーナス」という用語で表現されることがあります。人口増加によって経済成長に下駄をはかせることができるのですね。逆に、人口減少は経済成長にマイナスです。これは「人口オーナス」と呼ばれることがあります。オーナスというのは英語で「重荷」という意味です。人口減少は経済にとって重しになってしまうのです。

確かに今までは中国、韓国は人口ボーナスの恩恵を受けてきたかもしれません。ですが、2015 年を境にして、東アジア全体は人口オーナスの問題に悩むことになります。これは日本だけではありません。他の中国や韓国も同じ問題に悩むようになるのです。

このことは何を意味するでしょうか。今までは東アジアにおいて「ハンデ戦」が行われていたのです。つまり重いハンデを背負った日本 vs 軽いハンデの中国や韓国 という図式だったのです。追い風に乗った中国・韓国に対して逆風の中を走る日本が勝てるわけがない。ですが、この状況に変化が訪れるのです。2015 年頃から中国・韓国も人口オーナスのハンデを背負うことになる。そうなると、もはや有利・不利のない本当のガチンコ勝負の時代がやってくるのです。これをチャンスと呼ばずに何と呼びますか?

人口オーナス時代を生きる知恵

東アジア圏全体で人口減少が問題になるとすれば、そこでは何が起きるでしょうか。私は東アジア圏での人材争奪戦が起きると思います。如何にして優秀な人材を自国に引きとめることができるかが鍵になる。ただでさえ人が減る中、自国から流出しようとする優秀な人材をみすみす見逃すなんて、私には狂気の沙汰としか思えません。人口オーナス時代には、各国とも人材引きとめに躍起になってくると思います。日本だって同じことを考えるべきです。日の丸企業を支えてきた優秀な人材の流出をぼけーと見ているだけでは駄目なのです。

また、私は基本的に移民の受け入れに賛成なのですが、移民政策についても積極的に検討するべきだと思います。世界全体を相手に、とにかく優秀な人材を自国に招聘する政策を積極的に進めるべきです。ちょうどシンガポールがやっているような事と同じような事をするべきです。先ほどの人材引きとめ策が人口減少を抑える処方であるとすれば、こちらは人材を増やすという処方です。こちらも検討するべきだと思います。

人口政策については議論噴出、論者によって様々な意見が出されると思います。簡単に意見がまとまるとは私には思えません。ですが、ここで重要なことは「2015 年あたりを境に東アジアの風景が変わってくる」ということです。そして、その環境変化に合わせて、きちんと戦略を練っていかないといけないということです。

そろそろ東アジアのハンデ戦は終わりに近づいてきました。もう、過去の事は終わりにしましょう。そして、来るべき東アジアの人口オーナス時代に向けて、日本が実現するべき大きな絵を描くようにしませんか。

これはチャンスなのです。