PIIGSと日本の政府債務対GDP比を調べてみる

国債残高を調べていて思ったこと

少し前にアメリカの国別国債残高を調べた記事を書きました。その時には書きませんでしたが、「アメリカの国債発行残高って異常だな」という感想を持ちました。アメリカはとにかく国債を発行して何とか経済的に凌いでいる国なのだなと改めて思いました

国の借金の事を考え始めて色々調べてみたのですが、どうやら国債とか国の借金のことを考える時には GDP との比率を考えた方が良いということが私にも分かってきました。なるほど、確かにそうですね。借金の総額を見るだけでは意味がありません。何かを物差しにして借金のヤバさの度合いを図らないといけない。この点は納得です。

こういうことが分かってくると、債務対 GDP 比の観点から欧州各国の財政問題を眺めてみたくなります。それと同時に日本の財政状態も検討してみたい。実際、世界各国の財政のヤバさってどの程度なのでしょうかね?調べてみました。

PIIGS はどれだけヤバいか

まず欧州のPIIGSの政府債務対 GDP の状況を見てみましょう。PIIGSというのは欧州で財政危機に瀕しているとされる、ポルトガル(Portugal), イタリア(Italy), アイルランド(Ireland), ギリシャ(Greece), スペイン(Spain) のことを指します。

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このようにして見ていくと、PIIGS の政府債務対 GDP は3つのグループに分けられるのかなと思います。(1)突然発病型 (2)成人病型 (3)持病型 とでも名前を付けてみましょうか。

「突然発病型」に分類できそうなのはスペインとアイルランドです。この 2 カ国は世界全体の経済がおかしくなる 2007-2008 年頃までは順調に政府債務対 GDP 比が改善されていました。これは、順調に稼ぎを増やしたか、あるいは借金を減らしていったかのどちらかです。財政状態の傾向としては凄く良い方向に向かっていました。ですが、2007-2008 年頃に世界経済に暗雲が垂れこめると一気に発病してしまった、そういうシナリオではないかと思います。

「成人病型」はポルトガルとギリシャでしょう。これらの国は慢性的にヤバさを抱え込んでいたのかもしれません。ただ、ポルトガルを成人病と言うにはちょっと可哀そうですかね。政府対 GDP 比で 60 % 程度を維持していたので、そんなに悪い数字ではありません。むしろ良好な状態でした。ただ、ギリシャは微妙ですね。ずっと政府債務対 GDP 比 100% 程度の水準で推移していました。ちょっと普段の生活に気をつけた方がいいよと医者に注意を受け続けていた状態ではないでしょうか。そして、2008 年頃から一気に財政状態が悪化していきます。

最後の「持病型」ですが、イタリアがここに分類できるのではないでしょうか。この国は慢性的に政府債務対 GDP 比が 100% を超えているのですね。これは、この国の宿痾のようなものなのかもしれません。

日本の「失われた20年」は伊達じゃない

このように PIIGS が財政的に苦労していることが政府債務対 GDP の数字に反映されているようです。では、日本はどうなのでしょうか?

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ちょっと凄すぎて言葉が出ないですね。「失われた 20 年」は伊達じゃないのかもしれません。データの取得できた 1997 年から見ても、ブレることなく一貫して債務残高の GDP 比が右肩上がりで伸びています。今では 200% を超えてしまいました。こういう比喩はお叱りを受けるかもしれません。敢えて言えば、年収 500 万円のサラリーマンが 1000 万円の借金を抱えているような図式ではないでしょうか。

これ本当に大丈夫なのでしょうか??

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