スペインが10兆円の銀行救済支援を要請へ

スペインと言えばサッカー?

日本の 2012/06/10(日) の早朝、欧州で言えば 2012/06/09(土) の昼間ですが、大きな事件がありました。欧州の蔵相クラスが電話会議を開いて重大な決定を下しました。スペインの銀行救済支援の決定です。その金額は 10 兆円に上ります。

スペインがEUに銀行支援要請、ユーロ圏17カ国は10兆円を用意[MSN産経ニュース : 2012/06/10]
Spanish banks to get up to 100bn euros in rescue loans(スペインの銀行は1000億ユーロを限度に救済資金を獲得)[BBC NEWS : 2012/06/09]
Spain to Accept Rescue From Europe for Its Ailing Banks(業績不振に苦しむ銀行救済について、スペインは欧州からの支援を受諾)[The NewYork Times : 2012/06/09]
L’Espagne obtient un sauvetage sur-mesure pour son secteur bancaire(スペインはお誂え向きの銀行救済支援を獲得)[Les Echos : 2012/06/09]

私はこの問題をリアルタイムで興味深く眺めていました。ずっと Twitter の TL を眺めていたのですね。スペインと言えば世界中で銀行支援の話で持ちきりでした。欧州各国はもちろんのこと、アメリカでも大きな問題として取り上げられていたようです。

日本では夜中ということもあったのでしょうが、あまり話題にはなっていなかったと思います。むしろ、スペインというワードで検索するとサッカーの話しか出てきません。私はもうテレビを見ていないので不思議な感覚になりましたが、海外と日本国内では随分と温度差があるものだなと思いました。世界全体がのるかそるかの瀬戸際にある(と私は思う)時に、サッカーの話をするというのも…日本はまだまだ幸せなのですかね。

最初の噂は 4 兆円

スペインについては数日前から不穏なニュースが流れていました。

Spanish Banks Need $46 Billion, I.M.F. Says in Audit(スペインの銀行救済には 460 億ドルが必要、IMFが監査報告)[The NewYork Times : 2012/06/09]
L’Espagne demanderait une aide pour ses banques dès demain(スペインは明日にも銀行救済支援を要請か)[Les Echos : 2012/06/08]

このあたりの記事を読んでいて分かることは、事前には 4 兆円規模の支援が必要とみなされていたということです。ですが、蓋を開けてみれば 10 兆円規模の支援が必要というオチがついたのですね。一挙に 2 倍以上です。

この点は解釈が割れると思います。当初は本気で 4 兆円で足りると思っていたものが、実際には 10 兆円規模の支援が必要になったことが分かったということかもしれません。また、とりあえず 4 兆円と言って周りの反応を確かめてから、「こりゃ駄目だ」と思って 10 兆円と言ってみたのかもしれない。怖いのは 10 兆円という数字も実は控えめな数字なのかもしれないということです。そのあたりは何とも言えません。

スペイン政府が白旗を上げた

それから、このニュースのポイントはスペイン政府が白旗を上げたという点にあるのではないかと思います。

本来であれば、スペインの国内問題はスペイン政府が解決するべきでしょう。金融機関の安定はスペイン政府の管掌事項のはずです。そのスペイン政府が自国の金融機関の救済は手に負えないと白旗を上げたのです。

日本で言えばどうなるでしょうか。日本政府が自国の大手銀行の救済は自力ではできませんと降参宣言したら?そして、IMF などの国際機関にお願いですから金融機関支援のためにお金を貸してくださいと言ったとしたら?とんでもない大問題ですよね。スペインの問題はこのように考えると分かりやすくなるのではないかと思います。

周りからは「お前の国のことはお前(スペイン政府)が何とかしろよ!」と思われても仕方ないでしょう。傍で見ている限りは、ドイツなどはこういうスタンスなのではないかなと思います。ドイツは今回の件で相当腹を立てています。しかし、そんなことを言っていても仕方がないのです。怪我をして倒れている子供が目の前にいるのに「うちの子じゃないから助ける義理ないよね?」なんて言えないでしょう。周りの国は、こうやってなだめすかしてスペインの銀行救済にこぎつけたのではないかと想像します。

市場の反応は?

スペインの件について、欧州としては土日にケリを付ける必要があったのではないかと思います。来週はさらなる火種が待っている。ギリシャの再選挙の件です。ギリシャの問題に対峙する前、なおかつ市場が動いていない土日にスペインの金融不安に答を出す必要があったのかなと私は想像してしまいます。市場の過熱を防ぐために土日を選んだ、と。

さて、市場はどう反応するでしょうか?土日という冷却期間を置いて、市場はどういう挙動を示すでしょうか?月曜日の市場の動きから目を離すことはできません。

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