前進あるのみ!?ブレーキ無用のベトナム経済

不良債権の山

新聞を見ていると、どうやらベトナムの不良債権が大きな問題だという話がありました。

Banks’ Bad Debts Weigh on Vietnam (銀行の不良債権がベトナムの重しに)[THE WALL STREET JOURNAL : 2012/06/14]

私は別にベトナム経済に詳しいわけではありません。風の噂でベトナムの投資話がチラホラあったかなという程度の認識しかありません。一部の人が「これからはベトナムだよ」と言っていたかも?程度の認識です。

記事を読んでみると、2008 年頃からの世界同時不況の対策として市中にお金をばらまいたはいいけれども、景気が過熱し過ぎてしまって、今では結構な金額の不良債権(主に土地に関するものらしいです)が積み上がっている様子です。どこもかしこも状況は同じようなものなのでしょうか。無理矢理起こしたバブルの火消しをどうするかが問題になっているようです。

驚異的なインフレ

少し調べてみましたが、ベトナムというのはとんでもないインフレに見舞われているようです。とりあえず、ベトナムの名目 GDP と CPI の数字を拾ってみました。対前年度比に着目してグラフにしてみると以下のようになります。

BL201206-30-01.png

CPI の対前年度比だけを見てみても、ベトナムが相当なインフレになっていることが分かると思います。ここ数年で言えば、毎年のインフレ率が 10% を超えるような状況が続いているのですね。2008 年などは 20 % を超える勢いのインフレです!デフレに慣れ切ってしまった日本人にはちょっと想像がつかないと思います(私も想像つきません)が、これはとんでもないインフレです。

名目 GDP の方も凄まじい伸びを示しています。ですが、所詮はインフレによって下駄が履かされているだけです。実質的な GDP の成長率は 5-6% 程度のようです。成熟してしまった日本などから見ると確かに凄い数字なのですが、新興国ということを考えればどうなのでしょうか。少し物足りない数字なのかもしれません。以下の記事を見ると、最近では 5 % を切る水準にまで落ち込んでいるようです。

ベトナムのGDP成長率、上半期は前年比4.31%に減速へ[ロイター : 2012/06/15]

利下げを続けるベトナム

そんな状況の中でベトナムは利下げの連打を行っているようです。

Vietnam Struggles to Restart Growth (ベトナムは遮二無二に再成長を目指す)[THE WALL STREET JOURNAL : 2012/06/10]

ベトナム中銀、今年4回目の利下げ[日本経済新聞 : 2012/06/11]

記事を読む限り、今年に入って 4 回目の利下げ断行のようです。矢継ぎ早とはこのようなことを言うのでしょう。少しやりすぎな感じもありますが…。

何故ベトナムが利下げをするかというと、それは経済成長を目指すからとされています。利下げをすれば市中に資金が流れやすくなって経済が活性化する。ここまでは全く問題ないと思います。ですが、問題なのはインフレです。ベトナムは今でも相当なインフレのはずですが、そんな中で市中にお金をばら撒くのは火に油を注ぐようなものでしょう。何だか、バランスが取れていないと思うのは私だけでしょうか。

それだけではありません。もし、ベトナム国内に不良債権が積み上がっているとするならば、確かにインフレによって目先の不良債権はチャラにできるかもしれません。ですが、無茶な資金供給の結果が不良債権の遠因でもありえるわけです。「二日酔いには迎え酒」と言い張って、ひたすらにお酒を飲み続けるアル中患者のように見えてしまうのは私だけでしょうか。

どうにもチグハグな経済政策のような気がして、私の中でうまく整理ができません。ベトナムについては「前進するしか手が無いんだよ!」ということなのかもしれません。ペダルを漕ぎ続けないと倒れてしまう自転車のようなものなのかもしれません。あくまでも私見ではありますが、少々危ういものがあるような気がします。