ギリシャ発の欧州ブッ飛びで、グローバル化終了のお知らせなるか

ギリシャの再選挙

遂に明日 2012/06/17 ギリシャの再選挙が行われます。世界中が注目する歴史的な選挙になることは間違いありません。

ギリシャ再選挙の争点は、周囲から突き付けられた緊縮財政をギリシャが受け入れるかどうか、と言う点にあります。一つの選択肢は、財政破綻したギリシャが緊縮財政を受け入れるかわりに財政支援を受けるというものです。もう一つの選択肢は、諸外国からの財政再建に対する監視に「NO」の答を突き付けて財政支援を突っぱねるというものです。後者はギリシャがユーロの枠組みから離脱するということを意味します。

ギリシャは欧州の中の小国に過ぎません。ですが、ギリシャがユーロを離脱するということは欧州全体のアイデンティティを大きく揺さぶる大事件です。ギリシャのユーロ離脱は欧州統合という壮大な実験が失敗することを意味します。長い歴史の中で連衡合従を繰り返してきた欧州は、ようやくユーロを足がかりに統合に舵を切り始めました。ですが、ここにきて、欧州は再び分裂と混乱の危機に立たされています。

ギリシャの再選挙は、欧州統合か欧州分裂かを占う決定的な出来事になります。

欧州分裂の余波

欧州の混乱は彼の地だけに影響が限定されるものではありません。もし仮にギリシャで反緊縮派が勝利を収め、欧州崩壊がいよいよ現実のものになってくると、その影響は世界各地に飛び火することになるでしょう。そして、日本も大きな打撃を受けることになります。

まず、ユーロの暴落が避けられないものになると思います。ユーロが下がると言うことは円が高くなることに他なりません。別に円なんて魅力的な通貨では無いと思いますが、一番マシという評価を受けて円高が加速していくと思います。とは言え、今でも十分過ぎるぐらいの円高です。日本の企業は通貨高の影響で大きな打撃を蒙ることが予想されます。日銀は … どう動くんでしょうね?

また、中国を中心としてアジア諸国も大きな影響を受けると思います。欧州は中国にとって重要な顧客の地位を占めています。欧州の混乱は中国の経済成長に水を差す可能性が高いでしょう。中国の経済停滞に拍車がかかることは日本にとって看過できない問題です。既に日本は中国への輸出依存度を高めています。日本が部材を中国に売り、中国が製品を欧州に販売するという図式が出来上がっている。この図式の中で、欧州の影響が中国を経由して日本にまで到達することになります。あまり考えたくないことですが、日本の製造業が大ダメージを受けるということです。

本当に想像したくない悪夢のようなことですが、ギリシャの反緊縮派の勝利が引き金となって、リーマンショックあるいはそれ以上の影響が世界全体を覆うことになるかもしれません。残念なことですが、その時は日本も例外ではありません。

ただ、ギリシャの選挙結果が欧州分裂を引き起こすような結果に終わったとして、本当は誰にも何が起こるか予測できていない、というのが本当のところだと思います。全く予測不可能な世界が目の前にある。それはそれで、途轍もなく恐ろしいことです。

グローバル化の終わり?

欧州最悪のシナリオが現実のものになれば、世界全体で信用が収縮して経済が冷え込むことになります。このシナリオの延長線上に考えられるのが「グローバル化の終焉」というシナリオではないかなと私は考えています。

世界中が繋がっている、というのは追い風が吹いている時期には良いものです。世界全体でお金を回し、人を回し、工場を回し、製品を回す。これは世界全体が好況な場合には何の問題もありません。むしろ、お互いがニコニコできる関係になれるのです。ですが、風向きが変わり潮目が変わってくると途端に話がおかしくなってきます。確かに今も世界中は繋がっています。皮肉なことに今は導火線で世界中が繋がっているのです。ふと欧州に目を向けると、そこではジリジリと火種が燃えている…。

結局、信用収縮が進む世界では「グローバル化」してはいけない、ということです。「今日より明日はきっと良い」と信じられる時代にあっては、積極的に「グローバル化」した方が良かった。そして、世界は強烈な勢いでグローバル化しました。何故か?単純な話です。その方が参加者全員にとってメリットがあったからです。ですが、それは今では真逆の展開になってきています。ならば、今は「グローバル化」してはいけない時期なのではないかと思うのです。

これは、一面において、グローバル化の終焉です。新自由主義の敗北と言ってもよいかもしれません。日本では新自由主義というと蛇蠍のごとくに嫌われる場合がありますが、そういう人たちにとっては、この出来事は祝杯ものでしょう。ですが、それは別の怖い時代の始まりでもあります。各国が国内中心主義、排外主義の道に進んでいく可能性があるからです。それは、他人の事は考えず、自分の事だけ考えるということでもあります。別名、ブロック経済、帝国主義と呼ばれる場合もあります。私はこちらの方がよっぽど恐ろしい…。

もちろん、ここまで極端に逆方向に振れると考えるのは悲観的に過ぎるというものでしょう。ただ、グローバル化に急ブレーキがかかるということだけは確実なように私には思えます。もし仮に欧州がトんでしまった場合、今しばらく日本国内でおとなしくしておくのが吉ではないかなと私なんかは考えてしまうのです。