グローバル化の黄昏-野戦から籠城戦へ-

停滞する資金需要

ギリシャの選挙が終わって出口調査がぽつぽつと発表されていた時、私はこんな記事を興味深く眺めていました。

企業の資金調達、世界で4割減 株安で新規上場滞る 4~6月[日本経済新聞 : 2012/06/18]

記事を良く読むと、世界中で資金調達のペースが落ちているということのようです。確かに前年同期比で見る限り、全体の資金需要が落ちているように見えます。また、比率ベースで見ると特に株式による資金調達が減少しているようにも見えます。

何故、資金需要が減るのでしょうか?それは市場において魅力のある事業機会が失われているからでしょう。特に株式による資金調達をすれば、高い資本コストを背負うことになります。それだけの資本コストがペイするような事業機会が見つからないのです。だったら、わざわざお金を用意してまで事業に挑戦しようとする人はいません。
また、アメリカを中心とする QE(量的緩和) によって特に新興国などでは資金が溢れ返っているはずです。このようなカネ余り現象を作りだすことで、トータルとしての資本コストが本当は下がっているはずです。それにもかかわらず誰もお金を欲しがっていません。それほどまでに、市場における事業機会が失われているのです。

籠城戦の時代

世界的に資金需要が冷え込んでいる。その理由は世界的な投資機会の消滅です。簡単に言えば、世界は儲からなくなってきている、ということです。

そんな背景があるにもかかわらず「これからはグローバル化だ!海外に討って出るんだ!」というアジを飛ばす人がいます。私なんかは、それって如何なものかなと思うのです。今、私たちの足下で起きていることはグローバル化なんかではありません。今は「籠城戦」の時代に突入しているのです。

今やるべきことは、余計な資産を持たないことです。そうして借金を減らしていくことです。ヤドカリのように巣にこもって冬の時代が過ぎ去るのをじっと待つことです。目下のところ、このような行動を世界中の企業は取っています。この行動はどこをどう見ても「籠城戦」の準備に他なりません。「積極的な世界進出!」なんて誰もやっていない…。

もちろん、長い目で見れば、日本は世界との結びつきをさらに深めていくと思います。その流れは必然でしょうし、望ましいとすら私は考えています。ですが、目先の話だけで言えば、今は「籠城戦」の時代だと思うのです。今しばらくは身を潜めておいた方が良いと思うのですね。そのうち、春は来ますし、チャンスも訪れます。「世界に討って出る!」なんて勇ましいことは、そんな時期が来てからでも遅くはないと思うのですが、いかがなものでしょうか。

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