日本に不動産バブルの時代がやってくる?

バブルの清算が終わったと思ったら…

少し前に、ようやく1990年代初頭の日本バブル崩壊の清算が終わってヤレヤレ、という記事を書きました。不良債権処理が完了して、日本の銀行のバランスシートがやっとの思いで正常化したのではないか、という趣旨の記事です。

日本という巨大戦艦はバブル崩壊という魚雷を横っ腹に受けて大破しました。大きな被害が出ましたが、何とか浸水を抑えてバランスを取りなおしました。望ましい方向に船首を回頭して、巡航速度で突っ切りたいところです。他の国々が次々と被弾する中、日本だけが意外と良いポジションにいるのではないかと思うのです。

ところが、ここにきて、不思議な動きが目につくようになってきました。日本で再び不動産バブルの兆候が見え始めていると思うのです。

不動産バブルの足音が聞こえる

少し前に、こんなニュースが流れていました。

Goldman Sachs to Set Up Japan REIT (ゴールドマン・サックスが日本の REIT に手を付ける)[THE WALL STREET JOURNAL : 2012/05/25]

このブログ記事を書いているのは 7 月初旬ですが、WSJ の記事は 5 月の終わりごろの記事になります。私がこの記事を初めて読んだ時は、何だこれは?と思いました。不思議な動きが起きているなと言う風に感じたのです。最近で言うと、こういう記事もあります。

ゴールドマン:日本で不動産投信運用へ、最大3000億円-市況底と判断[ブルームバーグ : 2012/07/02]

こちらも同様の趣旨の記事です。ゴールドマンサックスが日本の不動産投資を着々と進めているということです。それだけではなく、日本の不動産関連の企業も国内の不動産に対する攻めの姿勢を取り始めています。

このような不動産投資が進む背景には、当然ながら、日本が資金でじゃぶじゃぶの状態にあるという背景があります。

日銀当預残高が過去最高 金融緩和が押し上げ[MSN産経ニュース : 2012/06/26]

この記事を読んでいくと、日銀の当座預金に資金がブタ積みになっている様子が理解できます。今、日本の銀行の中に資金という名の「武器弾薬」が大量に備蓄されているわけですね。この資金は狙うべき標的が現れるのを待っている状態にあります。使いどころさえ見つかれば、資金という「武器弾薬」が市中に供給されていくことになるでしょう。

そして、この大量の資金が不動産市場に流れ込もうとしているのではないかなと思います。不動産市況はどうやら底値のようです(これも数字を調べないといけないですね…)。つまり、不動産というオイシイ標的が目の前にある。そして、資金という武器弾薬も大量に揃っている。この二つの要素が見事にカップリングされると … 不動産バブルが形成されてくるのではないかなと私は妄想してしまいます。

倫理的に言えば額に汗して働いた方が良いと個人的には思います。ですから、不動産にお金が流れるよりも、地道に働いている事業会社に資金が供給された方が良いと思います。ですが、お金に倫理を求めるのも筋違いでしょう。倫理的には疑問符を付けたい所ですが、足下の動きとしては、不動産バブルの方向に向かう日本という図式があるのではないかなと私は思います。

誰が餌食になるのか?

不動産に対する投資熱が過熱するためには「それを誰が買うのか」という問題が解決されないといけません。私も誰が買うのだろうかと想像してみました。確かに高齢者は資産を持っています。ですが、今さら不動産に投資をする気にはならないでしょう。では、若年層が買うのでしょうか?しかし、彼らには不動産購入のための資金力が無いはず…。

ところが、そんな若年層を焚きつけるかのような記事が最近になって目につくようになりました。

買い時だけど、買わない 「夢はマイホーム」時代の終焉か[サーチナ : 2012/07/01]
驚きの内容で参入検討が進む ゆうちょ銀行の住宅ローン[DIAMOND ONLINE : 2012/07/03]

前者のサーチナの記事を読むと「マイホームを買うのは今がチャンス」ということのようですね。「ほらほらー、みんなマイホーム買おうとしてるよ?あなたは買わないの??」と言っているように私には思えます。私なんかは「煽ってるなー」と感じます。邪推でしょうか?

また、後者の記事は、少しびっくりですね。ゆうちょが低所得者層向けに住宅ローンを提供しようとしていると言う記事です。具体的に言えば、若年層をターゲットにしているのではないでしょうか。私にはそうとしか思えない。

DIAMOND の記事にも書いてありますが、結局は、日本版サブプライムバブルがこれから始まるのかなという気がします。返済能力が少々足りない若年層を中心に住宅資金を貸し付ける。そして購入した不動産を担保に若年層がさらにお金を借りる。そのお金というのは社会全体から見れば「需要」なわけです。その「需要」を狙って新たな製品が「供給」される。絵に描いたような(バブリーな)経済成長の図式ですね。このような図式の萌芽が今日本で起こりつつあるのではないかなと私は思います。

少々げんなりしなくもないですが、20 年ぶりにバブルの踊りが始まるのかもしれません。そろそろ準備運動を始めた方がいいのかもしれません。