働いたら負け?日本全国で賃金水準が下落中

働き手が減って賃金水準はどうなっているか?

今、日本で生産年齢人口が減少しています。以前、このブログでも調査してみましたが、年率 0.69% で生産年齢人口が減っています。そのトレンドを受けて、中堅企業では賃上げのトレンドが発生しているそうです。

確かに働き手が減っているから賃金水準が上がっているというのはあり得る話です。ただ、肌感覚と少しずれるんですよね。本当に賃金水準なんて上がっているの?実態としてどうなっているのかが疑問なので数字で確認してみました。

全国で賃下げの嵐

賃金水準のトレンドを調べるために、厚生労働省の賃金構造基本統計調査の内容を調べていきました。平成22年から平成27年までの都道府県別・一般労働者の月々定期的に支払われる賃金のトレンドを追いかけてみます。

まず、全国平均では、平成22年の月間平均賃金は 323.0(千円) だったのが、平成27年には 304.0(千円) に落ち込んでいます。平成27年から平成27年までの5年間で月々1.9万円の賃金が下がっていることになります。年率に直すと毎年1.21%の賃金水準下落です。

あれ?生産年齢人口が減っているのに賃金が下がってるんですね。ということは単純に労働力の多寡で賃金水準が決まっているわけではないということでしょう。お仕事の絶対量が不足しているのかもしれないです。他にも正規雇用・非正規雇用の構成比率なんかも影響しているかもしれません。

都道府県別で賃金水準のトレンドを読む

次に賃金水準のトレンドを都道府県別に分けて見ていきます。

まず、悲しいことに賃金水準が上がっている地域はありません。すべての地域で賃金水準が下落しています。デフレの波を逆向きに起こすのはなかなか容易なことではなさそうです。

では、年あたりの平均減少率でランキングを見ていきましょう。

まず、年間減少率ワースト10です。

都道府県 平成22年月間平均賃金 平成27年月間平均賃金 年平均下落率
三重 328.8(千円) 291.1(千円) 2.41%
山口 300.0(千円) 267.8(千円) 2.25%
愛知 349.2(千円) 315.2(千円) 2.03%
岐阜 304.8(千円) 275.6(千円) 1.99%
滋賀 322.6(千円) 292.7(千円) 1.93%
福岡 302.5(千円) 274.7(千円) 1.91%
茨城 328.3(千円) 298.9(千円) 1.86%
愛媛 282.5(千円) 257.5(千円) 1.84%
広島 309.3(千円) 282.9(千円) 1.77%
岩手 257.5(千円) 235.9(千円) 1.74%

この結果を見る限り、中京圏での賃金下落が目立ちます。三重、愛知、岐阜といった中京地区の主要地域で賃金水準が大きく下落していることが分かります。

また、滋賀、福岡といった生産年齢人口の減少が緩やかな地域については賃金水準の下落が目立つという傾向がありそうです。

次に年間減少率がマシな方の上位10都道府県を見ていきましょう。

都道府県 平成22年月間平均賃金 平成27年月間平均賃金 年平均下落率
沖縄 237.5(千円) 237.2(千円) 0.03%
高知 260.8(千円) 257.7(千円) 0.24%
宮城 285.3(千円) 279.9(千円) 0.38%
東京 391.1(千円) 383.0(千円) 0.42%
長崎 259.9(千円) 250.7(千円) 0.72%
鹿児島 263.1(千円) 253.3(千円) 0.76%
青森 244.8(千円) 235.6(千円) 0.76%
大阪 339.9(千円) 327.1(千円) 0.76%
島根 263.4(千円) 252.5(千円) 0.84%
奈良 304.0(千円) 290.2(千円) 0.92%

沖縄は別格ですね。もともと賃金水準は最下位ですが、賃金水準の下落率は全国で一番マシです。沖縄は出生率が高く生産年齢人口が増えている県です。日本の中で沖縄だけが異世界なのかもしれない。

また、やはりというか東京も別格です。人が集まり仕事も集まる日本の中で特例中の特例と言える地域でしょう。賃金水準の下落率も日本の中ではトップレベルでマシな地域です。まあマシなだけで賃金水準の絶対値は下落しているんですけどね。

高知、長崎、青森、奈良といった生鮮年齢人口が大きく減少している地域では賃金の下落率がマイルドという傾向が見られます。

意外なところでは大阪もまだマシな部類なんですね。

これまた以外なのですが、千葉、埼玉、神奈川は全国平均よりも賃金水準の下落率が悪いです。東京の養分にされているようにしか見えないというと言いすぎでしょうか。

都道府県 平成22年月間平均賃金 平成27年月間平均賃金 年平均下落率
千葉 327.2(千円) 306.0(千円) 1.33%
神奈川 359.0(千円) 335.1(千円) 1.37%
埼玉 327.5(千円) 304.4(千円) 1.45%

デフレの夜明けは遠い

こうやって賃金水準のトレンドを見てみましたが、日本のデフレの夜明けはまだまだ遠いのかなと感じます。日本全国、全ての地域で賃金水準が下がっているという事実はなかなか悲しいものがあります。

アベノミクスでデフレ解消のためにいろいろと手を打っているようですが、最終的に人々のお財布にお金が入らないことにはデフレの解消は難しいでしょう。

少子高齢化が進み、生産年齢人口が減っている日本社会ですが、本来は売り手市場になるはずの労働環境にもかかわらず、賃金は下落を続けています。この状況が長く続くのは社会的にあまりよろしくないような気がしますね。

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