トランプ勝利で決まった安倍=プーチン日露首脳会談の結末

日露交渉はロシアの完全勝利

2016年12月15から16日にかけて、日露首脳会談が開かれました。

半年ぐらい前からロシアのプーチン大統領を安倍首相の生誕の地である山口県に招いて日露首脳会談を進めるんだ、という触れ込みで準備が進められてきました。私もこの会談には興味をもって眺めていましたが、いざ蓋を開けてみれば、こんな結末になってしまいました。

ポイントとなる点は二つあります。

まず、領土問題については全くノータッチという点です。日本側としては北方領土の問題について進展させた上で平和条約締結に持ち込むことが主眼だったにもかかわらず何の成果も無しです。ロシア側としてはいかなる領土問題についても触れずに済めばしめたものです。まず、この点に関してだけでも外交的にはロシア側の勝ち。

次に、領土問題のことは棚上げになったまま、ちゃっかり経済協力についての約束だけはしてしまいました。金額的には3000億円ということでそれほど大きくはありません。ですが、世界中のあちこちから経済制裁を食らっているロシアからすれば、G7の一員である日本と経済協力の話を取り付けることはG7の結束切り崩しという意味で大きな得点となります。この点に関しても外交的にロシアの勝ちです。

トータルで見れば、ロシアの大勝利です。

トランプ勝利の影の主役プーチン

丁度、日本で日露首脳会談が話題になっていた頃、アメリカでは不穏なニュースが流されていました。先日のアメリカ大統領選挙でトランプ氏に有利となるようにハッキングを繰り返したとして、アメリカのオバマ大統領がロシアのプーチン大統領を名指して非難したのです。

当のトランプ氏は否定していますが、ロシア側がアメリカ大統領選挙の裏側で暗躍したというのは限りなくクロに近い話でしょう。トランプ氏がアメリカ大統領となることはロシアにとってメリットがあります。ヒラリー女史が大統領になるということはオバマ大統領のやってきたことから何も変わらないということを意味します。ヒラリーが勝てば、今のロシア包囲網=経済制裁だって当面継続ということになり、ロシア側としてはトランプ氏が大統領になってくれた方が都合がよかったのです。

ヒラリー vs プーチン 因縁の対決

今回のアメリカ大統領選挙はヒラリーとプーチン因縁の対決でもありました。

覚えている人は少ないかもしれませんが、2011年にロシアの下院選挙でヒラリーはプーチンに難癖つけまくっていたのですね。

2011年から2012年にかけてのロシア大統領選挙で反政府デモが起きていました。プーチンは、「アメリカの仕業だ」と騒ぎまくっていたのですね。ロシア大統領選挙では相当苦労したようで、プーチンは当選後に涙すら流していました。

アメリカ大統領選挙でのハッキングの話は、この時の恨みつらみがあったのではないかなぁと想像してしまいます。プーチンは絶対にヒラリーを蹴落としてやろうと。選挙で邪魔しまくってやろうと。そうしてヒラリーの選挙戦で足の引っ張ることでプーチンとしては前回の仕打ちの雪辱を晴らしたということでしょう。

WSJの記事にもあるように、まぁ、お互いさまなのでしょうね。

トランプ勝利で日露首脳会談の結果は決まった

さて、今回の日露首脳会談とアメリカ大統領選挙のロシア関与の話を時系列に重ね合わせて考えてみましょう。ロシアのプーチン大統領は、日本に対して「北方領土問題で話を進めましょう」と言っておきながら、その裏側で、アメリカ大統領選挙で自分に有利な候補=トランプ氏が勝利するようにハッキング活動を進めていたということです。

完全にしてやられています。二股かけられているわけですから。

アメリカ大統領選挙をにらんで、もしも今回のようにトランプが勝ったのであれば、ロシアは日露首脳交渉を最初から捨てる気でいたのではないかなと考えられるのですね。トランプ勝利でロシアへの経済制裁緩和の道が開けてきます。そうすれば何も日本に対して下手に出る必要性はありません。領土問題は完全スルーにして経済援助だけ貰えればいいや。そんな風に考えていたのでしょう。

逆にヒラリーが勝利していたとすれば、今回の日露首脳交渉で日露の蜜月関係をアピールしながらヒラリー率いるアメリカに揺さぶりをかける腹積もりだったのではないでしょうか。

どちらに転んでもロシア側が損することはありません。神算鬼謀とはこういうことをいうのでしょうか。日本は完全にお子様扱いされてしまったわけです。

今回の日露首脳会談、ロシア完全勝利、日本大敗北です。このしょっぱい経験を糧に次の作戦を考えていくしかないでしょうね。

日本側は一から出直しです。